マンション売却時にエアコンは外す?高く売るための付帯設備の注意点

マンションを売却する時は、リビングのエアコンって外さなくちゃいけないのですか?新居で使う予定がないから、そのまま置いておきたいのですが。

分譲マンションなら、購入時から備え付けられているエアコンもありますよね。そのようなエアコンは、できるだけ「そのままの状態」で売却する方がいいかもしれません!

よかった!じゃあ、寝室のエアコンはどうですか?最近買ったばかりなので、できれば持って行きたいのですが。

ご自身で付けたエアコンであっても、取り外す場合は少し慎重になった方がいいかもしれません。エアコンの取り外しでトラブルになるケースもありますよ!
マンションを売却するときに、室内に設置してあるエアコンや照明のことを「付帯設備」といいます。
この付帯設備を撤去するかどうかは売主が決められますが、撤去するかどうかは買主にきちんと伝えておかなくてはいけません。マンションを引渡した後に「エアコンが撤去されている」とクレームがあったり、逆に「照明がつけたままになっている」というクレームがあったりします。
マンションの売却価格に付帯設備の有無は直接的には影響しません。しかし、間接的に影響する場合もあるので、良く理解しておく必要があります。
また、撤去する場合には口約束ではなく書面で確認しておくべきです。今回は、そんなマンション売却の付帯設備についてお話します。
この記事の目次
家の設備はどのようにするべきか
結論から言うと、エアコンは最新の機種であったり、どうしても新居へ持って行きたい時であったりしない限りは、そのままマンションに置いておく方が無難です。
理由としては以下のように、それぞれ取り外す時のデメリットがあるからです。ただし、照明は大きなデメリットはないので持って行っても問題ないです。
エアコンを取り外すデメリット
エアコンを取り外す時のデメリットは以下の点です。
- エアコン裏のクロスの汚れ
- 通気口の穴の補修
- 撤去費や処分・取り付け費
この3点のデメリットを加味した上で、取り外すかどうかは決めた方が良いです。費用がかかったり手間がかかったりもするので、最悪の場合を想定して考えることをお勧めします。
エアコン裏のクロスの汚れ
エアコンを取り外すとエアコンの裏のクロスは非常に汚れています。場合によっては真っ黒になっている場合もあります。売買契約時に「エアコンは撤去します」といっていても、クロスをどうするかは決めていない場合が多いです。
該当箇所に買主がエアコンを設置するのであれば大きな問題はありませんが、それでもクロスに関してのクレームが入るかもしれません。
また、部屋によってエアコンを設置しない場合もあるので、その場合には買主からクレームが来る可能性は高いです。これがエアコンを撤去する際の一つ目のデメリットです。
通気口の穴の補修
また、稀ではありますが、エアコンと室外機を繋ぐ通気口を補修する可能性があります。通気口を補修するかはエアコンの種類により、元々の形状から通気口の大きさを変えた時だけ補修の必要があります。
マンションだと、室内と室外を隔てる壁はコンクリート造りになっています。そのため、後からそこに穴を開けることは構造上の問題で不可能です。エアコンの通気口は既に開けてあり、その形状を変更することは基本出来ません。
仮に、エアコンの通気口の大きさが合わなく、大型の機種や除湿・加湿機能付きのエアコンだと大きい通気口を必要とします。そのため、場合によってはエアコンの設置は不可能な場合があります。
ただ、通気口の周りを専用の機器で固めたり、補助機器を付けたりすることによって通気口のサイズが合わなくてもエアコンの設置ができることが稀にあります。そのようなことをしている場合には、当然原状回復しなければなりません。この原状回復が2つ目のデメリットです。
撤去費や取り付け費
また、エアコンを撤去する場合には撤去費、処分・取り付け費が掛かります。値段は引越し会社や専門業者によって異なります。目安としては、撤去費も処分・取り付け費もそれぞれ2万円前後かかることが多いです。
つまり、今のエアコンを撤去して新居に取り付ける場合には4万円前後の費用がかかることもあります。
その費用を支払ってまで、エアコンを撤去する価値があるかどうかを考えるべきです。後2~3年で買い替えるのであれば、新しいエアコンを買ってしまった方が経済的ですし、手間もかかりません。
そのため、エアコンを新しく新居に持って行こうとしている人は、撤去費と設置費用の見積もりを出してみましょう。
照明を取り外すデメリット
照明を取り外す時のデメリットは、天井クロスの照明焼けが目立つという点です。ただ、先ほどいったように照明はエアコンに比べると取り外すデメリットは少ないです。照明焼けは確かにありますが、照明はエアコンと違いほぼ必ず設置するからです。
そのため、照明焼けは結局新しい照明で隠れるのです。そのため、照明は取り外しても買主からクレームが入る事は少ないです。もし買主が神経質な方であれば、一言「照明焼けになる可能性がある」旨を伝えた方が親切ではあります。
空室時は注意が必要
仮に、空室の場合には照明やエアコンを取り外さない方が良いです。なぜなら、エアコンや照明がないと暑かったり暗かったりと、見学者が見学中に不快に思うことが多いからです。
夏は暑さ、冬は暗さ
エアコンを取り外してしまうと、夏の暑さは大きなネックになります。冬の寒さはまだ着込めば良いですが、夏の暑さだけは、どうしようもありません。見学者もゆっくり見学できずに、暑すぎると部屋の印象が悪くなってしまいます。
また、冬は照明がないと暗さが目立ちします。特に、向きが良くない部屋や、西向きなら午前、東向きなら午後の時間帯は暗さが増します。
そのため、空室時でエアコン、照明を取り外してしまうと物件案内時に大きな支障が出てしまうのです。これが売却金額に「間接的に」影響する理由です。
契約時に気を付けること
エアコンや照明などの設備をどうするかは契約時にきちんと決めておく必要があります。まず、撤去するかどうかもそうですが、きちんと作動するか、保証はどうするかも明記しておかないと、後々のトラブル原因になります。
契約書への記載
大抵の売買契約署には付帯設備に関して以下のような記載があります。
- 付帯設備一覧表の設備のうち 「有」と記したものを、本物件引渡しと同時に買主に引渡す。
- 前項の付帯設備については、第○条(瑕疵担保責任)の規定は適用されないものとする。
付帯設備表(詳細は後述します)という書面をきちんとつくり、付帯設備をどうするか書面で残します。また、付帯設備に関してはアフターフォローはなしで、故障しても保証しない旨を明記しておく必要があります。
付帯設備表の作成
前項で話したように付帯設備表は必ずつくっておきましょう。付帯設備表は各不動産会社でそれぞれフォーマットがあると思いますが、大抵は以下のような項目があります。
- 付帯設備:エアコン(洋室1) 撤去:有、無 備考欄
- 付帯設備:照明(リビング・ダイニング) 撤去:有、無 備考欄
このように、どの部屋のどの設備かを明確にして、撤去するかどうかを決めます。また、たとえば「リモコンがない」や「除湿機能に故障がある」など、現時点で不具合がある場合には、必ず備考欄に明記しておきましょう。
そもそも撤去するかどうかは売主の意向で決めてかまいません。
これらエアコンの他にも、たとえばお風呂の浴室乾燥機であったり、ミストサウナであったり元々マンションについている設備も「付帯設備」と見なされます。つまり、これらの元々ついている設備にも不具合があるのなら伝えておくべきということです。
いずれにしろ、不動産会社と共にどんな付帯設備がマンションに付いているかは確認しておいた方が良いです。
まとめ
このように、マンション売却における付帯設備は以下の点が重要になります。
- 撤去をするデメリットを理解しておく
- 空室時は撤去ない方が良い
- 売買契約書の条項を確認
- 付帯設備表を作成する
特に、売買契約書と付帯設備表は非常に重要です。結局は「言った言わない」で揉めることが多いので、書面に残して両者確認しておく必要があります。
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