マンション売却はどっちが高く売れる?「大手不動産会社VS地域密着不動産会社」
マンションの売却をするときは不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。
ただ、不動産会社の中にも、大手不動産会社があったり、地域密着型の不動産会社があったりと、色々なタイプの会社があります。それらの不動産会社それぞれの特徴をつかみ、自分の物件はどのタイプの不動産会社に依頼すれば良いかを見極めなければなりません。
そこで今回は、マンションを売却するときの不動産会社を「大手」と「地域密着」に分けて解説します。その中で自分のマンションに適した不動産会社を見極めてください。
不動産屋選びのポイントはこちらの記事で詳しく説明しています。参考にご覧ください。
この記事の目次
大手不動産会社の特徴
まずは大手不動産会社の特徴から説明します。大手不動産会社は店舗数や社内教育などがメリットであり、逆に地元に特化していない点がデメリットとなります。
大手不動産会社のメリット
大手不動産会社にマンションの売却を依頼するメリットは以下の3点です。
- 店舗数が多いので水平展開できる
- ネームバリューがあるため集客力がある
- 社員教育がしっかりしている
店舗数が多いので水平展開できる
大手不動産会社は何よりも店舗数が多いので、その店舗間で顧客情報を水平展開することができます。つまり、店舗間で顧客を紹介し合うことによって、集客数を上げ成約率を上げることができるのです。
例えば、東京都の練馬駅周辺に店舗を構えていたとします。そこに「70㎡3LDK」希望のファミリーの方が来客して、購入物件を探していました。良く話を聞いてみると「東条線沿線であれば良い」ということが分かり、板橋区も検討エリアになることが判明します。
そうなれば、大手不動産会社ならすぐに板橋区にある店舗の売り出し物件を調べて、その場で案内可能かを顧客に伝えることができます。
上手くいけば、来店した当日にマンションの案内が出来るかもしれないのです。この店舗間での水平展開が、まず大手不動産会社売却を依頼するメリットです。
ネームバリューがあるため集客力がある
次のメリットはネームバリューによる集客力です。マンションを売却しようと思ったら、まずどのような会社が思い浮かぶでしょうか?「三井のリハウス」や「東急リバブル」などが思い浮かぶのではないでしょうか?
これらの大手不動産会社は、テレビCMなどを展開しているので、中古マンションを買いたい売りたいという人が、ホームページなどをチェックしやすいのです。
つまり、大手不動産会社のホームページに自分の物件が掲載されれば、そのホームページを見ている人が多いので自ずと集客できるということです。その集客力が大手不動産会社の2つ目のメリットです。
社員教育がしっかりしている
最後に社員教育がしっかりしているという点です。大手不動産会社はコンプライアンスや社内ルールが徹底されているため、新入社員や中途社員の研修がしっかりしています。
不動産の知識はもちろん、接客マナーやローン、建築などの知識も幅広く身に付けていることが多いです。
また、情報がノウハウとして蓄積しやすいシステムなども導入している場合が多いです。そのため、経験の浅い営業マンでも、少し調べればベテラン営業マン並みの知識を得ることができます。
大手不動産会社のデメリット
一方、大手不動産会社にマンションの売却を依頼するデメリットは以下の2点です。
- 地元を把握していない場合がある
- 地元に強いつながりがない場合がある
上記2点のデメリットは、あくまで「地域密着の不動産会社と比較して」という前提です。
地元を把握していない場合がある
大手不動産会社は店舗数が多いため、店舗間での異動があります。会社によってなるべくエリアを変えないように配慮している会社もありますが、さすがに100%異動なしというワケにはいきません。
そして、その「エリア」が不動産会社にとっては非常に大事な要素なのです。たとえば、以下のような細かい要素です。
- 始発と終電の混み具合
- 朝夜の駅までのアプローチ(混んでいないか、暗くないか)
- 地元スーパーの質
- 地元医療施設や教育施設の評判
このような情報は駅が1つ変わっただけでも分からなくなってしまいます。そのため、いくらエリアが近いとはいえ、店舗が変わればこのような情報はリセットされてしまうのです。
しかし、一方でこのようなローカル情報が接客場面では大事になってくるのです。
地元に強いつながりがない場合がある
また、地域密着型の不動産会社に比べると、大手不動産会社は地元に強いつながりがない場合が多いです。
やはり、そのエリアに土地を持っている人などは高齢者が多く、昔から付き合いのある不動産会社と深い関係性を築いています。そのため、地元の富裕層が中々ターゲットになりにくいのです。
地域密着型不動産会社の特徴
つづいて、地域密着型不動産会社の特徴(以下、地場不動産会社)の説明です。地場不動産会社は地元に特化しているという点がメリットでもありデメリットでもあります。
地場不動産会社のメリット
地場不動産会社にマンションの売却を依頼するメリットは以下の2点です。
- 地元の富裕層を顧客にしている可能性がある
- 地元営業力が強い
地元の富裕層を顧客にしている可能性がある
こちらは大手不動産会社のデメリットで話した内容の「逆」です。地場不動産会社は、昔から付き合いのある地元人の繋がりが強いです。
その中には高齢の富裕層がいる場合も多いです。そのような顧客は相続対策や知人・家族用に不動産を購入することも少なくありません。地場不動産会社は、その顧客にアプローチできる可能性があるのです。
地元営業力が強い
こちらも、大手不動産会社のデメリットで話した内容の「逆」です。その地元に特化しているということは、自然と、店舗を構えている駅の周辺数駅からのマンション売却依頼が多いです。そのため、店舗の最寄り数駅のローカル情報は身についています。
また、そのエリアの顧客がどのようなニーズを求めていて、どのような特性を持っているかも、身をもって体験しています。それらの経験やノウハウは、マンション売却過程である「値引き交渉」や「営業トーク」の細かいところに生きてくるのです。
地場不動産会社のデメリット
一方、地場不動産会社にマンションの売却を依頼するデメリットは以下の2点です。
- 店舗間で水平展開できない
- 広域訴求力が弱い
店舗間で水平展開できない
大手不動産会社と違い、地場不動産会社は店舗数が少ないため店舗間で水平展開がしにくいです。そのため、レインズ※1を利用して物件を調べたり、わざわざ他社に物件の連絡をしたりする必要があります。
そうなると、たとえ売り物件があってもスムーズに案内できない等の支障が出る場合があるのです。
※レインズとは、不動産会社が今売り出している物件情報や、過去の成約事例を見ることができるネットワークシステムです。
広域訴求力が弱い
地場不動産会社は大手ほどのネームバリューはありません。そのため、広域の集客は大手不動産会社より落ちます。
たとえば、東京都文京区でマンションを売却するとします。文京区は人気エリアなので、東京23区や埼玉県南部などからも顧客を訴求する力を持っています。
しかし、たとえば埼玉県南部在住の人が文京区でマンションを探す場合には、わざわざ地場の不動産会社を探して連絡するでしょうか?その可能性は極めて低いです。
大抵の場合には、不動産ポータルサイトや大手不動産会社に問い合わせるでしょう。そのため、地場不動産会社は大手不動産会社に比べて、広域訴求力が弱くなります。
広域訴求できる物件かどうか
このようなメリット・デメリットを加味すると、自分の物件が広域に訴求できるエリアかどうかで決まってきます。広域訴求できるエリアというのは以下のようなエリアです。
- 複数路線が利用でき、世間的な認知度が高い
- 「住みたいまちランキング」などにも登場するくらい住環境の評価が高い
- 大型ショッピングセンターがあるなど、大きな強みを持っている
このような広域訴求できるマンションは、大手不動産会社の方が向いています。なぜなら、先ほどいった通り、大手不動産会社の方が広域の集客ができるからです。
一方、このような駅に該当しないエリアは、地場不動産会社を選ぶのも有りです。
特に、深く話すとエリアの良さが伝わるような最寄り駅のマンションは、地場不動産会社の方が向いているでしょう。
まとめ
このように、大手不動産会社と地場不動産会社にはそれぞれ特徴があります。これらの特徴、メリット・デメリットをつかむことで、自ずと自分のマンションの売却をどちらの不動産会社に依頼するべきか見えてくるはずです。
マンションをはじめ、不動産の売却では、不動産会社選びは非常に大切な要素です。そのため、大手不動産会社も地場不動産会社もどちらも査定してみて、話を聞きましょう。
その上で、高く早く売ることが出来そうな不動産会社を選びましょう。
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