マンションは住みながら売却した方が良いか?空家の方が良いか?
マンションを売却するときには、そのマンションに住みながら売却することが多いです。ただ、空家状態のマンションを売るということもあります。
また、住みながらでも一旦空家にしてもどっちでも良いというパターンもあるのです。
実は、マンションは住みながら売却するのか空家で売却するのかで、それぞれメリット・デメリットが異なります。
そこで今回は、それぞれのメリット・デメリットを解説するので、どちらで売却するかの判断材料にしてください。
この記事の目次
「住みながら」と「空家」の違い
結論からいうと、住みながら売却した方が良いか、空家にして売却した方が良いかは一概には言えません。以下のような特徴があるため、自分の状況に合わせて選択することが望ましいです。
- 売却時の手間
- 室内の印象
結論をいうと、売却時の手間については、住みながらマンションを売却した方が手間はかかりません。一方、室内の印象に関しては、空家状態の方が良い印象を与えることが多いです。
売却時の手間
売却時の手間とは、以下の3点のことを指します。
- 手続きについて
- 接客について
- 空家管理について
手続きについて
まず、手続き関係については、住みながらの方が楽です。住みながらということは、不動産会社ともやり取りがしやすく、購入検討者との手続きも、不動産会社との手続きも距離が近いのでやりやすいのです。ここでいっている、具体的な手続きは以下の通りです。
査定&媒介契約
まず、マンションを売却するときには、マンションがいくらくらいで売却できるかという「査定」を行います。その査定に関して、住みながらであれば家に不動産会社の営業マンを招き入れるだけです。しかし、空家の場合には、わざわざ空家まで出向かなければいけません。
自宅と空家の距離が近ければそれほど手間ではありませんが、親御さんの相続などの場合は遠方になることも多いです。そのため、遠方にある場合には、査定をするだけでも時間をかけて空家に行かなければいけないのです。
また、媒介契約を結ぶときも同様です。空家が遠方にある場合には、わざわざ不動産会社のところまで出向いてやりとりするか、遠方だと郵送対応になるので、いずれにしろ手間は増えます。
申込&契約&引渡
また、マンションを売却するときには、申込や契約、引渡時に書類を交わします。このようなときに、住みながらであれば、不動産会社のオフィスに行ったり、自宅で締結したりできます。
ただ、空家で、かつ遠方の場合にはわざわざ出向いたり、郵送対応になったりと手間がかかります。
接客について
また、接客についても、住みながら家を売却した方が楽です。その理由は以下の通りです。
- 立ち合い時の手間
- 交渉
立ち会い時の手間
まず、購入検討者が物件見学する場合には、原則売主は立ち会います。接客中は室内にいないかもしれませんが、見学者を出迎るのが一般的です。
しかし、空家の場合で特に遠方の場合には、わざわざ見学者が来るたびに立ち会うのは不可能です。
そのため、そのようなときは不動産会社に鍵を預けて、不動産会社だけで見学者を案内することになります。そうなると、セキュリティ上の不安も出てきてしまうのです。
交渉
前項でいったように、空家での接客の場合には、実際の接客現場には立ち会えないことが多いです。そのため、購入検討者の状況を把握しにくいのです。
たとえば、不動産会社から「検討者がいるが100万円の値引きが入っている」という連絡が入ったとします。
もし、住みながらマンションを売却していれば、購入検討者の顔を見ていますし、接客状況で何となく検討度合いはつかめます。
一方、空家の場合には状況が分からないので、基本的には不動産会社のいうことに従うことになるのです。
空家管理について
つづいて、空家管理についてです。家は住んでいないと劣化していくため、空家は以下のような管理が必要になってきます。
- 換気
- 通水
- 各箇所の掃除
- 郵便受けの整理
こちらの空家管理は、不動産会社が「空室管理」という商品を用意するほど、不動産業界では普通のことです。ただ、空家管理が必要になると、月額1~2万円程度かかってきます。
そのため、空家が近くにある場合は自分で空家管理を行う「手間」がかかり、空家が遠方にある場合は空家管理の「費用」がかかってくるのです。住みながらであれば、当然空家管理は必要がありません。
換気
まず、室内は定期的に換気をしなければいけません。換気をしないと臭いがこもり、クロスや布製品に染みつきやすくなります。
臭いが染みつくと中々取ることができないので、見学者が来たときの印象が悪くなるのです。また、換気をしないと湿気が溜まり、カビが生えやすくなります。
通水
通水とは、トイレの水を流したり、洗濯パン(洗濯機の配管)に水を流したり、浴室の排水口に水を流したりすることです。これらの箇所には、基本的に水が溜まっています。この水を「封水」というのですが、この封水は時間が経つと蒸発してしまうのです。
封水が蒸発してしまうと、それぞれの配管から下水の臭いがして、その臭いが部屋に充満するのです。その臭いが、先ほどと同じく部屋に染みついてしまいます。
各箇所の掃除
また、当然ですが、各箇所の掃除をしないと埃が溜まっていきます。そうなると見学者の印象を下げ、成約率の低下につながってしまうのです。
郵便受けの整理
さらに、郵便受けは定期的に手紙を捨てないと、郵便受けがいっぱいになってしまいます。そうなると、たとえば「固定資産税納税通知書」のような、重要な書類が埋もれてしまう可能性があります。
また、郵便受けにチラシなどが一杯だと、長期不在ということが周囲に分かってしまい、予期せぬ犯罪に巻き込まれるリスクも上がるのです。
室内の印象
冒頭でもいいましたが、空家状態である方が室内の印象は良いです。その理由は以下の通りです。
- 室内が広く見える
- 見学しやすい
ただし、このメリットが受けられるのは、前項で話した空家管理をしっかりやっているという前提のお話です。空家管理をしっかりしていないと、先ほどいったように上記以上のデメリットがあるからです。
室内が広く見える
まず、空家状態の方が室内は広く見えます。理由は、床面の露出が多いほど部屋は広く見えやすいからです。
空家状態ということは、家具や家電がない状態であることがほとんどです。そのため、床面は全て露出しているので、その分部屋が広く見えるというワケです。
見学しやすい
また、空家状態の方が見学しやすいです。人が住んでいる感じがないので、気兼ねなく部屋全体を見られるからです。
たとえば、クローゼットの中や水まわりなどは、人が住んでいる状態だと見学するときに遠慮してしまうものです。しかし、空家の場合は、その点は気兼ねなく見学できます。
さらに、家具・家電がないため、単純に部屋の行き来がしやすく、部屋全体が見やすいのです。たとえば、ベッドルームにベッドが置いてあれば、ベッドの下の床面は見えないです。そのような点も空家であれば自由に全て見ることができます。
ネックに対する対策
しかし、一方で空家状態の室内に関してはネックもあります。そのネックとは、「家具・家電のレイアウトイメージがわかない」ということです。住みながらの売却であれば、テレビの位置やソファーの位置、ベッドの位置は実際に置いてあるのでイメージできます。
ただ、空家の場合には、何も置いていないことが「イメージできない」というネックにもつながってしまうのです。この対策としては、「図面」と「写真」があります。
家具・家電のレイアウトイメージは、購入検討者が意外と重視する項目の1つです。やはり、今ある既存の家具・家電が入るかどうかは、家具・家電を買い替えるかどうかに直結します。もし、買い替える必要があれば、多額の費用がかかってしまうのです。
図面
まず、図面に関しては、図面にレイアウトイメージを書いておくことです。図面を何枚かコピーして、実際の家具・家電の縮尺を合わせて図面に記入すると良いです。記載するレイアウトは、元々設置してあった状態でも良いですし、新たに自分で考えた状態でも良いです。
写真
また、写真を用意しておくというのも手段の一つです。写真とは、元々家具や家電がレイアウトしてある状態のときの写真です。その写真があれば、図面以上にレイアウトイメージがわきます。
まとめ
マンションを住みながら売却するか空家にしてから売却するかは、以下の点に注意して考えましょう。
- 手続き関係や接客、空家管理などの「手間」をかけたくなければ住みながら売却
- 室内を良く見せたいのであれば空家状態での売却
住みながら売却するか空家で売却するかは、空家の場所が大切な指標になります。空家の場所が自宅から遠ければ遠いほど、手間がかかり、空家管理費用などがかかります。
そのため、空家の場所にも加味して考えると分かりやすいでしょう。
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