マンションは角部屋が売却しやすい?部屋による価値の違いとその理由
マンションには複数の部屋があるので、その部屋の場所や条件によって価格は変わってきます。
特にタワーマンションなどの、戸数が多いマンションでは、一番安い部屋と一番高い部屋で坪単価が倍違うことも少なくありません。
また、中古で売り出すときに、同じマンション内で競合することも意外と多いです。そのため、自分の部屋の価値はどのくらいあるかを知っておきましょう。
それが、競合物件との差別化につながります。そこで今回は、条件によって変わる部屋の価格と、その理由について解説します。
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この記事の目次
角部屋は売却しやすいか?
結論からいうと、マンションは角部屋の方が売却しやすいことの方が多いです。その理由は以下の通りです。
- 陽当たり・眺望
- プライバシー
つまり、部屋の「住みやすさ」がほかの部屋よりも快適という点が、角部屋が売却しやすい理由になります。
陽当たり・眺望
まず、角部屋は2面採光なので陽当たりが良くなります。仮に、メインバルコニーが北向きだったとしても、角部屋であれば「北・西向き」「北・東向き」のどちらかになるのです。そして、2面に窓があるので、眺望も良くなりやすいです。
また、リビング・ダインングだけでなく、間取りによっては居室の一部も窓が二面あります。つまり、リビング・ダイニングだけでなく、子供部屋や寝室なども陽当たり・眺望が良いというメリットが受けられるのです。
プライバシー
角部屋はプライバシーの観点からも人気があります。なぜなら、角部屋だと外廊下の一番端になるので、玄関の目の前を誰も通ることがありません。
そのため、部屋の中にいても足音は聞こえにくいですし、玄関扉を開けた瞬間に、ほかの入居者がいるという事態にもなり得ません。そのため、特に小さいお子さんがいる家庭には喜ばれます。
角部屋のネック
一方で、角部屋にも以下のようなネックはあります。しかし、このネックよりも、前項で話したメリットの方が上回る場合が多いので、角部屋は売りやすい部屋なのです。
- 開口部が多いため気温が変動しやすい
- 価格が高くなる
開口部が多いため気温が変動しやすい
前項でいったように、窓(開口部)が多いため陽当たりが良いです。これは、もちろんメリットではありますが、デメリットの要素もあるのです。デメリットは、夏は日差しが強く部屋が暑くなりやすいという点と、冬は開口部から寒い風が入り部屋が寒くなりやすいという点です。
しかし、今のマンションは断熱材がしっかりと備わっている場合が多いです。そのため、熱い日差しはカットして、寒い冷気もカットします。それによって、部屋の気温変動は少なくできます。
また、窓のサッシ自体もしっかりしているので、気密性が高いです。そのため、隙間風などは入りにくくなっています。
価格が高くなる
前項のように角部屋はメリットが多い部屋です。そのため、新築でマンションを売り出すときも、マンション価格は高くなりがちです。つまり、中古で売るときにもマンション価格を高くしないと、赤字になってしまうということです。
この、「価格が高くなる分」を、前項で説明したメリットで補えることが多いので、角部屋は売りやすいとなります。しかし、相場よりも頭一つ高く買ってしまった場合には、「売りにくい」部屋にもなりかねません。
そのほか価格に影響する要素
マンションは、前項で話した「角部屋」の要素以外にも、以下のような部屋は価格が変動しやすい部屋になります。
- 上層階・下層階
- エントランスの上階
- エレベーターの近く
- 避難ハッチ
- 部屋の色
上層階・下層階
まず、階数による金額の違いは大きいです。特に、タワーマンションだと、眺望面と陽当たり面に大きな差が出ます。眺望・陽当たり以外には「将来不安」も大事な要素です。たとえば、自分の部屋の目の前に空き地があったとします。
そして、その空き地には、広さ的に6階建てのマンションまで建築できるとします。この状況のときには、6階と7階の価格差は非常に大きくなります。空き地にマンションが建てば、6階だと同じ目線にマンションがありますが、7階だと目線が抜けるからです。
また、一般的には上層階の方が高いですが、以下のようなときには下層階の方が高くなります。
- 電線が目の前にある
- プレミアムな部屋である
たとえば、2階部分に眺望を阻害するものはないものの、3階部分に電線がかかる場合です。電線が部屋から近くて目立つようであれば、3階部分の人は眺望面が悪くなります。そのため、このような場合には、下層階である2階の方が高価格になることがあるのです。
また、たとえば1階住戸は「大型犬飼育可能」や「専用庭あり」などの特典が付く場合があります。その場合には、1階住戸は上層階よりも高くなることがあるのです。
エントランスの上階
2階部分の部屋で比較してみます。基本的にはマンションの1階部分の一部は「エントランス」になっています。そのため、エントランスの上階に位置する部屋の価値は、人によって異なります。
エントランスの上階の部屋のメリットは、「足音」を気にする必要がないという点です。下の階に誰かが住んでいるワケではないので、いくら足音を立ててもクレームを受けることはありません。そのため、ファミリータイプの方などには喜ばれます。
一方、エントランスの上階の部屋のデメリットは、「バルコニーの下を不特定多数の人間が通る」ということです。
たとえば、洗濯物をバルコニーに干しているときも、エントランスに出入りがあれば、すぐ下には不特定多数の人が行き来します。そのため、プライバシーを重視する人は、エントランスの上階の部屋は嫌がります。
エレベーターの近く
エレベーター近くの部屋も懸念する人が多いです。エレベーターまわりの外壁は、戸境壁よりも厚く建築されています。ただ、夜などの静かなときは、エレベーターの稼働音が聞こえてくるときはあります。
また、玄関扉を開けたらすぐエレベーターなので、玄関扉の前にエレベーター待ちの人がいる場合があるのです。
そのため、プライバシーを気にする人には、エレベーター近くの部屋はマイナス評価になります。また、同じ理由で、外廊下の近くなども懸念する人が多いです。
避難ハッチ
さらに、細かい点ではありますが、避難ハッチを気にする人もいます。避難ハッチとは、バルコニーに設置されている緊急避難用のはしごです。マンションによって異なりますが、避難ハッチがあるということは、バルコニーに凹凸ができるということです。
そのため、同じ階数ならどこでも良いという人は、避難ハッチの有無で部屋を決める場合もあります。中古マンションだと、同じマンションの同じフロアで同時に売り出すことは少ないので、ネックにはなりにくいですが気にする人はいます。
部屋の色
さいごに部屋の色についてです。部屋の色はダーク系とライト系の色に分かれることが多いです。ダーク系の色は重厚感がありシックなイメージになります。
一方、ライト系の色は、部屋が明るく見え広く見えます。そのため、一般的にはライト系の部屋の方が印象は良くなりがちです。
まとめ
このように、マンションは部屋によって価値が異なります。価値が異なるということは、購入検討者の印象が異なるということです。中古マンションを売却するときは、まずは競合物件との価格比較から始まります。
その中で条件が似ている競合物件があれば、上述した内容で比較すると差別化が図れるかもしれません。
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