マンションから一戸建てに買い替える時に絶対に抑えたい注意点

今住んでいるマンションが狭くなってきたので、一戸建てに買い換えようと思っているのですが、何か注意点はありますか?

マンションから一戸建てに住み替える場合は、「マンションの売却」と「一戸建ての購入」とを同時に進める必要があり、それぞれに気をつけなければいけないポイントがありますが、そのポイントは本当にたくさんあります。

気をつけなければいけないポイントがたくさんあるんですか?それを聞いて、楽しいはずの一戸建て購入が少し億劫になってきました。。。

大丈夫です。大事なポイントを一つ一つ気をつければ、失敗しない住み替えは可能です。苦労して住み替えた家は本当に大事にしますから、家族のために一生懸命頑張りましょう!
今住んでいるマンションを売却して、新たに一戸建てを購入する場合は、何点か注意点があります。
特に、住宅ローンやお金の流れ、住み替え時の内覧会の対応などによっては売却金額が大きく変わってくるので注意しましょう。
この記事の目次
先売りか後売りかで流れは違う
マンションから一戸建てに買い替える時には、今のマンションを売った後に一戸建てを購入する(先売り)か、一戸建てを購入した後に今のマンションを売却する(後売り)かで流れが変わってきます。まずは、先売りにするか後売りにするかを判断しましょう。
先売りの場合
まず、先売りの場合には以下の流れになります。
- (マンション)査定を行い、媒介契約を締結する
- (マンション)売却活動を行う
- (マンション)検討者と交渉し合意を得たら売買契約を締結する
- (一戸建て)希望物件を探し始める
- (マンション)引渡を行い、賃貸マンションなどに仮住まいする
- (一戸建て)希望物件が見つかったら売買契約を結ぶ
- (一戸建て)引渡を行う、仮住まいしている物件から引っ越す
先に今住んでいるマンションを売るので、仮住まいをする可能性が高い点がデメリットです。ただし、一戸建てを購入しているワケではないので、今のマンションの売却を急ぐ必要はありません。
急ぐ必要がないということは、値引き交渉に応じる必要がないので比較的高い金額で物件を売却しやすいのです。
お金の流れについて
また、売却を先にするという事は「資金計画を立てやすい」という事でもあります。なぜなら、上記③の時点で、既に売却金額と売却にかかる諸費用が固まっているからです。
つまり、手元に残るお金が分かるので、次に購入する一戸建てにいくら使えるかの予算組みがしやすいのです。
内覧会時での注意点
先売りの場合の内覧時は、居住中の状態のため以下の点に注意する必要があります。
- 見学予約が入る度に清掃を行う
- 見学者が来る30分~1時間程度前に換気をしておく
- 自由に見て良いことを事前に伝えておく
物件に居住中のため、どうしても「生活感」が出やすいです。しかし、特に新築物件と並行して検討している人は、この「生活感」を懸念します。そのため、見学予約が入る度に清掃を行い、換気も行っておきましょう。
特に、水周りは汚れやすい上に購入検討者は衛生面の観点から気にしやすいポイントです。そのため、特に入念に清掃を行い、清掃しても気になる汚れがあればクリーニング業者への依頼も考えましょう。
また、購入見学者はクロゼットを勝手に開けたり、バルコニーへ勝手に出たりして良いものなのかを迷います。そのため、「自由に見て良い」という旨を予め不動産会社に伝えておきましょう。そうすれば、不動産会社が自然と購入見学者へ促してくれます。
後売りの場合
つづいて、後売りの場合には以下の流れになります。
- (一戸建て)希望物件を探し始める
- (一戸建て)希望物件が見つかったら売買契約を結ぶ
- (マンション)査定を行い、媒介契約を締結する
- (一戸建て)引渡を行い、一戸建てを引き渡す
- (マンション)売却活動を行う
- (マンション)検討者と交渉し合意を得たら売買契約を締結する
- (マンション)引渡を行う
一戸建てを購入した後にマンションを売ります。そのため、仮にマンションにローンが残っていて、一戸建てでもローンを組むなら、「ローンが組みにくい」「住居費がダブルで発生する」というデメリットがあります。
まず、ローンを組みにくくなる理由は、一戸建ての購入時にローンを組むとしても、マンションの残債も加味されて審査されます。
また、マンションに残債があれば、マンションの引渡が完了するまで、マンションと一戸建ての住居費がダブルでかかってきます。また、住居費がダブルでかかることを嫌がってマンションを早く売ろうとすれば、マンションの売却価格は下がりやすいです。
お金の流れについて
先売りの時とは逆に、後売りはお金の流れが読みにくいです。例えば以下のケースで後売りした場合も見ていきましょう。
- マンションが大体3,000万円くらいで売れると予想
- マンションの残債が2,200万円で諸費用が120万円程度(つまり、手元に680万円の余裕資金が残る)
- その680万円を見越して、一戸建てを購入
このように、マンションの査定額をベースに一戸建てを購入する必要があります。しかし、査定額はあくまで「恐らく売れるであろう金額」なので、査定額より安い金額で売却されることも少なくありません。
仮に、3,000万円で売れると思っていたらマンションが、2,700万円で売却されたらどうなるでしょうか。
余裕資金は300万円減ってしまうので、当初立てた計画とは大幅に変わってしまいます。後売りの場合は、この「お金の流れ」にも良く注意しておく必要があります。
内覧会時での注意点
後売りの場合は、マンションを空室状態で売却できるので、内覧会時は有利になります。理由は、「床面が多く露出するので広く見える」という点と、「単純に物がないので案内がしやすい」という点です。
室内は床面が多く露出した方が広く見えるので、家具も家電もない空室状態の方が比較的広く見えやすいです。また、空室状態だと見学者も気兼ねなくクロゼットの中を見たり、自由に出入りしたりできるので案内がしやすいのです。
ただ、一点注意点は空室管理をする必要があるという点です。以下のような空室管理をしないと、マンションはどんどん傷んでいってしまいます。
- 定期的な換気:湿気と臭いがこもる。カビが生えやすくなる
- 定期的な清掃:空室にしてても埃は溜まっていく
- 定期的な通水:水周りの通水をしないと配管の臭いが部屋に充満する
一戸建てならではの注意点
冒頭に言ったように、マンションと一戸建てはそもそも不動産の種類が違うため、注意するべき点も違います。特に以下の点には注意しましょう。
- 境界確認
- 一戸建ての種類
境界確認
一戸建てには「土地」があるため、隣地や道路との境界が大切です。なぜなら、境界の位置によって広さが増減し、土地の価値が変わるからです。その境界がきちんと整備されているかは必ず確認しましょう。実測図や地積測量図という、境界を確認するための資料が古ければ、測量をやり直してもらう必要があります。
一戸建ての種類
一戸建てには、「注文住宅」「建築条件付契約」「建売住宅」の3種類があります。注文住宅とは、家の設計を一から自分で考えられる住宅の事です。建築条件付契約とは、施工会社とベースの図面は決まっている住宅の事です。
間取りは多少変えられます。建売住宅とは、既に建物が建っている状態のことです。当然、間取りの変更はできません。
注文住宅と建築条件付契約は土地を購入してから建物を建てます。建売住宅はすぐにでも住むことができます。このように、価格もそうですが、一戸建ての種類によって引渡時期や施工期間が異なる点を認識しておきましょう。
住宅ローンについて
全ての不動産に共通していることは、住宅ローンが残っている状態で家を売却することは出来ないという点です。勿論、マンションを売却して一戸建てを購入する時も、マンションの残債がある場合には、完済しないとマンションは売却できません。
手元資金がない場合には、他の金融機関でフリーローンなどを組む必要がありますが、今回は買い替えなので「買い替えローン」を利用できます。
買い替えローンとは以下のようなローンです。
- マンションを売却しても残債が残る
- 一戸建てを購入する
- マンションの残債分と一戸建ての購入金額をまとめてローン組みできる
例えば残債が500万円残って、一戸建ての購入に際して4,000万円のローンを組むとします。買い替えローンを組むことができれば、残債と購入資金の合計4,500万円を組むことが可能なのです。
まとめ
マンションを売却して一戸建てを購入する時には、そもそも不動産の種類が違う点を認識しておきましょう。一戸建ての方が土地は重要視されますし、一戸建ての種類によっても施工期間が変わってきます。また、土地の境界に関しても良く注意する必要もあるのです。
また買い替えを行う際に残債が残ってしまう場合には、買い替えローンを検討しましょう。買い替えローンは金利も変わらずに借りることが出来るので、審査は厳しいです。
そのため、買い替えローンがダメだった時に次の対応を取れるよう、早めにローン審査をしておくことをお勧めします。
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