マンション売却時によくあるクレームとその対処法
マンションは人生の「買い物」の中で、一番高額な買い物といわれています。そのため、マンションの購入検討者がマンションを購入するときは、ほかの商品よりも慎重に選びます。
ただ、それでも実際に「住んでみる」とギャップを感じることがあるのも事実です。
購入者からしてみれば、「せっかく何千万円も払って買ったのに・・」と思い、そのギャップがクレームにつながることも少なくありません。
そこで今回は、マンション売却時によくあるクレームと、その対処法について解説します。
この記事の目次
建物不備に関するクレーム
まず、一番多いクレームは建物の不備に関するクレームです。中古物件の場合は、新築物件とは違い、実際に建物が見られます。そのため、新築物件よりはギャップを感じることは少ないですが、それでも入居してからギャップを感じる人はいます。
仮に、建物に不備があり、その不備が「生活に支障の出る」レベルであれば、それは「瑕疵(欠陥)」になります。しかし、生活に支障の出ないレベルの瑕疵で、売主に悪意がなければ問題ありません。
なぜなら、中古物件を売却するときの基本的な考えは「現況有姿」になるからです。現況有姿とは、平たくいうと「このまま引渡をします」ということです。
よくあるクレーム
具体的には以下のようなクレームが、「建物の不備」に関してよくあるクレームです。
- 窓を開けるときに音が出る
- 収納扉の閉まりが悪い
- 床に傷・穴があることに気づいた
- クロスが汚れていることに気づいた
これらの建物上の不備は「程度」によっては瑕疵にもなり得ます。
たとえば、「1」については、窓を開けるときに音がなり、引渡後すぐに「窓が開かなくなった」のであれば、売主の瑕疵担保責任である可能性が高いです。窓が開かないのであれば、生活に支障がでるというのが理由です。
また、「3」「4」に関しても売主が責任を問われることもあります。たとえば、明らかに売却中は傷や汚れを故意に隠していたときです。その上で、その傷や汚れが、生活に支障がでるレベルであれば、売主の瑕疵の可能性もあります。
ただし、上記の例でいうと、生活に支障の出るレベルでないことが多いです。中古物件であれば、開閉部の建付けは多少悪くなりますし、中古物件なので傷や汚れは多少あるのが前提だからです。
基本は現況有姿
とはいえ、やはり買主によっては、「これは売主の瑕疵である」と主張する人もいるのが現状です。そのため、先ほどいったように「中古物件の売買はあくまで現況有姿である」という点は、強く伝えておきましょう。
また、売買契約を結ぶ前に、室内の動作確認をすることをおススメします。たとえば、窓の開閉に問題ないかを確認したり、収納内などの見落としがちな部分のクロスやフローリングを確認したりすることです。
「動作確認」をしたという事実があれば、建物不備に関するクレームは少なくなります。特に、築古マンションを売却するときには、動作確認は必須事項であると認識しておきましょう。
付帯設備についてのクレーム
前項の次に多いクレームは、「付帯設備」に関するクレームです。付帯設備とは、エアコンや照明のことで、これを撤去するか設置したままにするかは売主・買主の合意で決めます。
口頭で確認
まずは、売却活動の際に、きちんと口頭で確認することです。これは、プロである不動産会社ですら見落としがちな点なので、売主自身もしっかり確認しておきましょう。
一番手っ取り早いのは、不動産会社に自分の意思を伝えておくことです。たとえば、「エアコンは全て持って行く」「照明はいらない」などです。
そうすれば、不動産会社も買主とスムーズに会話出来る上に、もしかしたら値引き代わりに「エアコンを設置したままにしますので」などの営業トークに使えるかもしれません。
付帯設備表で確認
また、付帯設備に関してを口頭で確認した後は、必ず書面でも確認も行いましょう。この書面確認は売買契約時に一緒に行うとスムーズです。付帯設備を確認する書面は「付帯設備表」とう書面で対応します。この書面に関しての詳しい記事は以下でご確認ください。
関連記事マンション売却時にエアコンは外す?高く売るための付帯設備の注意点
隣人に関してのクレーム
さいごに「隣人に関してのクレーム」です。マンションだと、隣戸はもちろん、上下階の部屋とも隣接しています。そのため、隣人とのトラブルに関するクレームもあるのです。
よくあるクレーム
以下がよくあるクレームです。
- 上階の人の足音がうるさい
- 隣に住んでいる人のタバコの臭いが室内に入ってくる
- 下階の人が音に敏感すぎる
上記はいずれも「なぜ売却時に伝えてくれなかったんだ」という内容です。「上階の人の足音がうるさいのであれば買わなかったし、下の階の人とトラブルになったのは売却時に説明がなかったからだ」とクレームがくることがあるのです。
不動産会社に相談
前項のようなクレームは、非常に難しい問題です。なぜなら、「音」や「臭い」などに関することは、人によって感じ方が違うからです。たとえば、普段タバコを吸っている人は、ほかの人のタバコの臭いはあまり気になりません。
また、神経質な人とそうでない人は、「音」に対する感じ方が全く違います。さらに「耳の良さ」や「生活時間」などによっても、音の感じ方は違うのです。そのため、音や臭いなどのに関して少しでも気になることがあれば、まずは不動産会社に相談しましょう。
不動産会社は今まで何件もマンションを仲介しているので、「どこまで伝えるべきか」は感覚的に分かっているはずです。そのため、上手く状況をくみ取って、トラブルのないように対処してくれるはずです。
不動産会社選びが大切
ここまでで話をした3点のクレームには、以下のように対処するように話してきました。
- 現況有姿であること伝える
- 動作確認を行う
- 付帯設備は口頭確認をして「付帯設備表」をつくる
- 隣人で気になることがあれば、事前に不動産会社に伝える
ここで共通していることは、「不動産会社が重要」という点です。
マンションの販売実績
不動産会社によっては、「土地」や「一戸建て」の仲介を得意としている不動産会社もあります。しかし、マンションという共同住宅の売却経験がないと、上述したような「クレーム」の対処法が分かりません。
そのため、マンションの売却時には、できるだけマンションの仲介実績がある不動産会社を選ぶことが大切です。
また、自分が売却しようとしているエリアの売却実績が豊富にあれば、なお良いです。なぜなら、そのエリアを検討する人の特徴が分かるからです。仮に、「ファミリータイプが多いので、臭いは気にするが音は気にしない人が多い」と知っていれば、対応方法が変わります。
営業担当者の力量
また、不動産会社を選ぶときには、営業担当者の力量も気にするようにしましょう。不動産会社に売却を依頼するときには、まずは査定を行います。一般的には、査定にきた営業マンがそのまま売却を担当することが多いです。
そのため、査定時に営業担当者の力量を見極めるようにしましょう。前項で話をした「マンション売却の実績」や、きめ細かいところに気が付くかという点が大事です。
きめ細かいところに気が付く担当者であれば、事前にクレームが発生しそうな点をリスクヘッジしてくれるからです。
まとめ
マンション売却時には、上述したようなクレームに気を付けましょう。引渡した後にクレームを受けると、不動産会社も対応しきれない部分もあるので、非常に面倒なことになります。
そのため、「高く早く売る」という観点も大切ですが、いかにクレームなく引渡せるかという点も大切にしましょう。
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