マンション住み替え時にリフォームする場合の具体的な流れや注意点

マンションの住み替えを検討しているのですが、今住んでいるマンションをリフォームすると高く売れるって本当ですか?

もちろんです!中古物件は綺麗な方が高く売れますので、リフォームするとプラスになります!しかし、リフォーム代金以上の査定額にならないと損するだけなので、その見極めが重要になってきます。

そうなんですね。じゃあ、住み替え先の中古マンションはどうですか。こちらもリフォームしてから入居しようと思っているのですが。

住み替え先のマンションもできるだけ入居前にリフォームした方がいいですよ。では、売りたい物件と買った後の物件とに分けて、リフォームについて詳しく解説しますね。
マンションを住み替えるときには、リフォームが関わってくることがあります。
特に、マンションを住み替えるということは、「売却時の旧マンション」と「購入先の新マンション」と2つのマンションのリフォームが関わってくるのです。しかし、リフォーム金額は数十万円~場合によっては100万円を超えてきます。
そのため、リフォームするかどうかは、費用を見ながら慎重に決めなければいけません。そこで今回は、マンションの住み替え時の「リフォーム」について詳しく解説します。
「マンション売却前のリフォームは本当に意味ない?デメリットと査定額への効果」の記事と併せてご覧ください。
この記事の目次
マンションはリフォームするべきか
マンションを住み替える際のリフォームは、売却するマンションにも購入するマンションにも考えられます。売却するマンションであれば、「資産価値を上げるため」のリフォームになります。
つまり、「少しでも高く売却するためのリフォーム」です。
また、一方で購入する側のマンションもリフォームすることがあります。この場合には、「築年数が古い家を購入してリフォームする」のようなときです。もしくは、室内を完全にグレードアップさせるとしたら、リフォームではなく「リノベーション」になります。
リフォーム費用は、リフォーム会社やリフォーム箇所、そしてリフォーム内容によって異なります。その費用に関しては後述しますので、まずは「マンションを売買するときにリフォームするべきか」を検討しましょう。
売却する側のマンション
結論から言うと、売却するマンションのリフォームはおススメできません。なぜなら、リフォーム代を売却価格に上乗せできるかどうか分からないからです。仮に、売却するマンションをリフォームしてから売却するときには、以下のようなときが挙げられます。
- 競合物件のグレードが高い
- 室内が劣化している
- 相場より安く購入した
競合物件のグレードが高い
中古マンションを購入する人は、そのエリアの物件をいくつか比較して決めます。その中には、中古マンションも含まれますし、新築マンションも含まれます。
そんな競合物件が、軒並みグレードの高いマンションであったときは、リフォームしてから売却した方が良いかもしれません。
特に、新築マンションを分譲していて、その検討者が多く見学に来たときには、どうしても室内のグレードは見劣りします。その状況で中々売却できないときは、部分的にでもリフォームした方が良い場合があります。
室内が劣化している
たとえば、小さなお子さんがいたり、ペットを飼っていたりする場合には、室内は劣化しやすいです。特に、クロスやフローリングの傷は、購入検討者の目に留まりやすい箇所です。
中古マンション検討者はある程度「傷・汚れ」は加味して見学しますが、度を越えている場合には値引き材料になりかねません。
そのため、目視レベルでクロスやフローリングに大きな損傷がある場合、リフォームをしてから売却した方が良い場合があります。
相場より安く購入した
先ほど言ったように、売却するマンションをリフォームした方が良いかは、売却価格にリフォーム代を上乗せできるかが1つの基準になります。そのため、そもそも相場金額よりも安い価格で購入した場合には、リフォーム代を上乗せしても売却しやすいです。
ただ、このような場合でも、まずはリフォーム費用の見積もりを行いましょう。その見積と補修内容を照らし合わせて、リフォームしてから売却するべきかは判断しましょう。
購入する側のマンション
一方、購入する側のマンションをリフォームするべきかは、予算と室内状況次第です。購入するマンションをリフォーム前提で購入するのは以下のようなケースです。
- 購入したいエリアに築年数の古いマンションしかない
- 購入したいエリアの築浅マンションが高い
購入したいエリアに築年数の古いマンションしかない
まず、購入したいエリアに築年数の古いマンションしかないときは、リフォームする前提で購入することがあります。築年数が古くて室内が劣化していても、全面リフォームをすれば問題なく住める場合もあります。
しかし、そのときには「内部の劣化」に気を付けましょう。
内部の劣化とは、マンションの「配管関係」です。配管関係は目視できませんし、リフォームで補修できません。そのため、マンションの「長期修繕計画」を良く確認して、きちんとした計画を立てているかをチェックしましょう。
購入したいエリアの築浅マンションが高い
また、前項とは逆で、購入したいエリアの築浅マンションが、予算を上回っていたときにもリフォーム前提でマンションを購入することがあります。そんなときは、前項のように、格安の築古マンションを見つけて、リノベーションするという方法があります。
このときには、前項の「配管関係を確認する」という点以外に、「粘り強く交渉する」という点を忘れないようにしましょう。高い物件が周辺にあり、格安にも関わらず売却できないということは、何かしらのネックを抱えています。
その点は値引きできる要素になるので、不動産会社と良く話し合って上手に購入しましょう。
また、購入するマンションをリフォームする場合でも、必ず「見積もり」を取得してからリフォームするかは判断しましょう。
リフォーム費用
先ほどいったように、リフォーム費用はリフォーム会社やリフォーム箇所、そしてリフォーム内容によって大きく異なります。そのため、以下に記載するリフォーム費用は、あくまで参考程度で認識ください。
いくつかのリフォーム会社に見積もりを依頼して、比較してからリフォーム会社は選定しましょう。
リフォームする箇所については、主に以下の5か所になります。
- クロス張替えリフォーム
- フローリング張替えリフォーム
- キッチンリフォーム
- トイレリフォーム
- 浴室リフォーム
上記の通り、中古マンションをリフォームするときは、クロスとフローリング、そして水まわり全般のリフォームを行います。特に、水まわりに関しては、中古マンション検討者が重要視するポイントです。
なぜなら、水まわりは「衛生面」が最も気になる箇所だからです。ただ、以下に記載しますが、水まわりはリフォーム費用も高くなりがちな箇所なので、「リフォーム費用」と「購入検討者の懸念度」を比較して判断しましょう。
クロス張替えリフォーム
クロスの張替えは、先ほどの通り「小さなお子さん」「ペット」がいると劣化しやすいです。特に、クロスの「汚れ」はまだ落ちますが、「破れ」については張替えないと補修できないケースが多いです。
クロスにも色々と種類がありますが、ここでは一般的な「特殊な素材ではない白いクロス」へ張り替える前提のお話です。
相場としては、6畳の部屋全面のクロス張替えで4万円~5万円程度です。クロスは張り替える「範囲の広さ」によって金額が変わります。そのため、リビング・ダイニングなど、張替え範囲が広い場合には10万円を超えてくるケースが多いです。
フローリング張替えリフォーム
つづいて、フローリングについてです。フローリングは部屋の端から1枚ずつ組み合わせて配置しています。そのため、「1枚だけ張り替えたい」という場合でも、部屋の端までのフローリングをバラす必要があります。
そのため、小さな範囲でも金額が安くなることはありません。
相場としては、6畳の部屋のフローリングの全てを張り替えると10万円前後になります。クロスに比べると、作業時間も材料費もかかるので、価格は高くなりやすいです。
キッチンリフォーム
キッチンのリフォームは、リフォームする「範囲」によって異なります。また、キッチンの商品によって価格が全然違います。そのため、以下の金額は参考程度に見てください。仮に、キッチン設備を全て最新モデルに入れ替えた場合には100万円を超えることもあります。
- ガス・コンロのみの入れ替え:5万円~20万円
- キッチン設備の全面入れ替え:50万円~100万円以上
- キッチンの形状変更:80万円~200万円
キッチンの形状変更とは、独立型のキッチンからアイランド型キッチンに変更など、そもそもの形を変更することを言います。
キチンの入れ替え工事は、どれだけリフォーム工事が必要かで工事金額は左右されます。たとえば、間仕切り替えを取り壊す必要があったり、床の張替え工事をする必要があったりする場合には、金額は高くなりやすいです。
トイレリフォーム
トイレのリフォーム工事は、床の張替えやクロスの張替え工事、そしてトイレ設備の入れ替え工事があります。床やクロスの張替え工事に関しては上述した通りで、設備の入れ替え工事は10万円~20万円ほどです。この費用は、商品のグレードによって大きく異なります。
浴室リフォーム
浴室のリフォームに関しては、「ユニットバスの入れ替え」「洗面化粧台の入れ替え」の、大きく分けて2つの種類に分けられます。ユニットバスの入れ替え工事については50万円~70万円ほど、洗面化粧台の入れ替え工事については10万円~20万円ほどが相場です。
見積もりを取得する意味
繰り返しますが、リフォームを検討している場合には、まずは見積もりを取得しましょう。見積もりを取得する理由は、「費用を知る」という目的もありますが、マンション売却時は「値引きに利用できる」という目的もあります。
つまり、室内の劣化を懸念する相手に対して、「見積もり分の値引き」を提案できるのです。
たとえば、リビング・ダイニングのクロス、フローリングと、トイレが劣化していたとします。この場合、仮にリフォーム費用が55万円だったとします。その見積書を持って、「劣化が気になる」という検討者に55万円の値引きを提示するということです。
購入検討者からすると、具体的な見積もりがあるので、リフォーム費用が明確です。また、その分値引きしてもらえるので、リフォームに回すお金が浮くということになります。
このやり方であれば、売主にとっては「リフォームする」という、金額をかけるリスクがありません。また、値引き金額の根拠が明確なので、相手を説得しやすいという利点もあるのです。
まとめ
マンションの住み替えに伴う「リフォーム」については、以下の3点を理解しておきましょう。
- 売買するマンションはどちらもリフォームの「見積もり」を取得
- 売却するマンションは見積もり額を値引き代わりにする方法もある
- リフォームの見積もりは複数社に依頼して比較する
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