マンション売却時の相場価格を簡単に調べる方法
マンションを売却するときには、「このマンションは大体どのくらいで売却できるのか」と疑問に思うものです。
マンションの売却価格は不動産会社に査定してもらうのが一番早いです。しかし、自分で相場価格を調べて、自分のマンションの大体の売却価格を把握しておくことも重要です。
自分のマンションの大体の売却価格を把握しておけば、不動産会社の話も頭に入ってきやすく、「良い」不動産会社を選びやすいからです。そこで今回は、マンション売却時の相場価格を調べる方法を解説します。
この記事の目次
マンション売却時の「価格の種類」
マンション売却時には「相場価格」「査定価格」「売り出し価格」という3種類の価格があります。
まずはこの3種類の価格の意味を理解することが、相場価格を調べる上では重要になります。相場価格を調べるときには、必ずほかの2つの価格も意識して調べましょう。
相場価格とは?
相場価格とは、「そのエリアの平均価格」のことをいいます。ただし、その「エリア」といってもマンションや一戸建てもあれば、築年数も広さなども違います。そのため、以下のような基準で物件を統一しなければいけません。
- 広さ:すべて坪単価(1坪当たりいくらか?)に置き換える
- 築年数:1~10年、11年~20年のように10年単位で区切る
- 物件種類:マンション、一戸建てと分類する
- 立地:徒歩1~5分、6~10分と5分単位で区切る
このように、上記の基準で物件を分類します。そして、ある程度自分のマンションと似ている物件に分類した上で、相場価格を割り出します。
ただし、たとえば物件数が少なければ築年数は15年で区切るかもしれませんし、徒歩分数は10分単位で区切るかもしれません。上記の基準は「絶対的」なものではなく、そのエリアによって異なります。
たとえば、自分のマンションが「築14年50㎡、駅徒歩8分」の物件だったとします。そうなると、「築11年~20年、マンション、徒歩分数6~10分」の物件の平均坪単価が「相場価格」になります。
査定価格とは?
査定価格とは、前項の相場価格をもとに「自分のマンション」に置き換えた価格です。たとえば、前項と同じ「築14年50㎡、駅徒歩8分の物件」の査定価格を知りたいとします。
その時に相場価格が坪単価170万円だったとしても、自分の物件がいくら(査定価格)かは分かりません。
そのため、坪単価170万円という数字を導き出した物件をピックアップして、より自分の物件と近い物件を探します。たとえば、坪田単価170万円の根拠が以下の3物件の平均だったとします。
- 築11年 駅徒歩6分 42㎡ 坪単価185万円
- 築13年 駅徒歩8分 53㎡ 坪単価180万円
- 築15年 駅徒歩9分 75㎡ 坪単価145万円
上記の「築年数」「駅距離」「広さ」以外にも、「向き」「階数」「周辺環境」などを加味した上で、「2」の物件が自分の物件と一番近しいとします。
そうなると、相場価格は170万円ですが、査定価格は「坪単価180万円×16.6坪(50㎡)」となり、査定価格は2,988万円となります。
売り出し価格
さいごに、売り出し価格についてです。売り出し価格は他の2つよりも簡単で、「今、実際に売り出している価格」のことです。
つまり、チラシやネット上の「広告」に掲載されている価格のことを指します。中古物件は大抵の場合値交渉が入りますので、自分が売りたい価格よりも売り出し価格を高く設定することが多いです。
そのため、相場価格以上に売り出し価格を設定することも少なくありません。相場価格を知り、自分のマンションの査定価格を知り、最後に周辺の売り出し価格を調べます。
その上で自分のマンションをいくらで売り出すかを決めなくてはいけないのです。
相場価格、査定価格を調べる
まずは、3つの価格のうち相場価格、査定価格の調べ方を解説します。相場価格と査定価格は、「成約事例」を利用して算出します。成約事例とは「実際に売買取引が成立した」時の価格のことです。
REINS Market Informationを利用する
成約事例を調べる方法はREINS Market Informationというサイトを利用します。
このサイトは誰でもログインすることができ、物件の成約事例を調べることができるサイトです。実際に検索するときには以下の手順で行います。
- 物件種別(マンション、一戸建て)を選ぶ
- 自分の検索したいエリアを選択する
- 駅や駅距離、単価や広さなどの条件で物件を絞る
REINS Market Informationはピンポイントでエリアを絞り込むことはできません。
たとえば、「埼玉県さいたま市浦和区」の物件を検索したい場合には「埼玉県中央部」という広い範囲での検索になります。そのため、一旦検索したあとは物件をピックアップして自分で絞り込みをかけましょう。
※1REINS Market Information
http://www.contract.reins.or.jp/
REINS利用の注意点
エリアによってはREINS Market Informationで検索をすると大量の物件が出てくることも少なくありません。
そのため、物件数が多すぎて、逆にどの物件を参考にするべきかが分からなくなると思います。そのような時は、一度データをエクセルに落として以下の順番で絞り込むと良いです。
- 最寄り駅
- 駅距離
- 築年数
- 広さ
上記で絞り込んでも物件数がまだ多い時は、間取りや成約時期で更に絞りこみましょう。理想は20物件前後です。
土地総合情報システムを利用する
REINS Market Information以外には、土地総合情報システム※2というサイトでも、成約事例を調べることができます。
REINS Market Informationとの違いは土地総合情報システムの方がデータをファイル形式で出力しやすいという点です。
ただし、ネット上で見ると坪単価の記載がないので、おおよその坪単価を知りたいときはREINS Market Informationの方が良いです。
いずれにしろ、この「成約事例」をピックアップすることで、エリアのおおよその金額(相場価格)が分かります。更に、自分の物件の条件と近しい物件を絞り込むほど、正確な査定価格が算出しやすいです。
※2土地総合情報システム
http://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
売り出し価格を調べる方法
さいごに、売り出し物件を調べる方法を解説します。相場価格と査定価格を調べれば、自分のマンションが「恐らく〇〇万円くらいで売れるだろう」という目安が分かります。
その価格を踏まえた上で、「いくらで売り出すか?」を決めるために売り出し価格を調べる必要があるのです。
売り出し価格の調べ方
売り出し価格の調べ方は簡単で、以下のような媒体をチェックします。
- 不動産ポータルサイトのチェック(SUUMOやHOMESなど)
- 投函チラシ
- DM
つまりは、広告に記載してある価格を調べれば売り出し価格を調べることはできます。一番楽な方法はネット検索ですが、中古物件だと費用のかかるネット掲載はしていない物件もあります。
そのため、ポストに入ってくるチラシやDMは意外と重要資料になりますので、保管しておきましょう。
売り出し価格の注意点
売り出し価格も相場価格や査定価格と同様、物件が多すぎたら絞り込みましょう。不動産ポータルサイトで調べれば、各条件でフィルタをかけられるので比較的楽に絞り込めると思います。
売り出し価格は、特に条件が合致している物件をピックアップしないといけません。なぜなら、条件が合致していない物件は「競合物件」にはならないからです。競合物件にならないということは購入検討者も比較対象としてみないということです。
比較対象にならない物件をピックアップして、その物件を参考に売り出し価格を決めても、精度の低い売り出し価格になってしまいます。そのため、競合物件は特に条件が合致し他物件を絞り込みましょう。
まとめ
- 価格には「相場価格」「査定価格」「売り出し価格」の3種類がある
- 相場価格は「REINS Market Information」と「土地情報サービス」の成約事例を調べる
- 売り出し価格は広告媒体で調べる
このように、相場価格だけを調べるのではなく、3つの価格を意識して調べる必要があります。
この価格を自分なりに調べて頭に入れておくと、不動産会社に選びの時に活きてきます。査定価格を不動産会社からフィードバックされるときに、精度の高い査定を出している会社を見極めやすくなるのです。
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