不動産営業マンとの上手い価格交渉のコツは?失敗しない交渉まとめ
マンションの売却時には交渉事はつきものです。
言い換えると、マンションを売却するときには、購入検討者から「値下げ交渉」は入るものと思っていた方が良いということです。そんな値引き交渉が入ったときに、どのような対応をするかで、値引きされる金額も変わってきます。
そこで今回は、交渉されたときの上手な対応を解説します。
この記事の目次
競合物件を把握
まずは、不動産会社に依頼して、常に競合物件を把握しておくことです。なぜ、競合物件を把握しておくことが大切かというと、購入検討者が値引き交渉をするときには、競合物件を引き合いに出すことが多いからです。
競合物件を引き合いに出す
たとえば、自分のマンションを3,500万円で売り出していたとします。そのとき、購入検討者のAさんが自分の物件を見学して気に入ってくれました。ただ、「3,300万円であれば購入する」という、200万円の値下げ交渉をしてきたとします。
そのときに、値下げして欲しい理由として、「似たようなマンションが3,300万円で売っている。その金額と同じであればこっちを買いたい」のような理由だったとします。
このようなときに、その競合物件を知っていれば、カウンタートークとして以下のようなことが言えるのです。
- その物件は西向きで本物件は南向きです
- その物件は3階で眺めは良くないですが、本物件7階で眺めが良いです
- その物件は築17年ですが、本物件は築10年です
つまり、競合物件を知っていれば、その物件よりも優位に立っている部分を、購入検討者へ主張できるのです。その主張をすることで、少しでも値引き幅を小さくすることができます。そのため、まずは競合物件を把握することが大切です。
競合物件を把握させる方法
競合物件を把握するといっても、不動産のプロでない売主が自力で行うのは難しいです。そのため、不動産会社に競合物件の把握を依頼する必要があります。具体的には、売却活動報告の際に、一緒に競合物件の情報ももらうことが望ましいです。
専属専任媒介契約であれば1週間に1回以上、専任媒介契約であれば2週間に1回以上の売却報告が義務付けられています。そのときに、メールや電話で競合物件情報を教えて欲しいと依頼しておくと、自然と物件を調べてくれます。
基本的には強気な姿勢
交渉ごとは、何であれ基本的には強気の姿勢を見せることが大切です。これは購入検討者に対してというよりは、不動産会社の営業担当者に対してという意味合いが強いです。
なぜなら、不動産会社の営業マンは、どうしても「早く」売ることを優先したいからです。
営業マンの考え
もちろん、営業マンもなるべく高く売ってあげたいのが本心です。しかし、極端な話、200万円高くマンションを売却できても、営業マンとしては大して利益が増えるワケではないのです。
なぜなら、仲介手数料は3%が上限なので、200万円高く売ったとこで、最大6万円ほど仲介手数料が上がるだけなのです。
そのため、売主にとって200万円高く売れることは非常に大きいことですが、不動産会社にとってはそれほど大きなことではないのです。
そのため、営業マンには強気な態度で臨むことをお勧めします。強気な態度というのは高圧的な態度というワケではなく、絶対に譲れないラインを明確にするということです。たとえば、営業マンと売却価格の話をするときに以下の2つの言い方をしたとします。
- できれば3,500万円で売って欲しいが、最悪3,300万円なら値引きには応じる
- 基本的には3,500万円で売る、どうしてもという場合には3,300万円までは考えなくもない
この場合、上記1を言われた営業マンは、「3,300万円」という前提で購入検討者に値引き交渉をします。
そのため、仮に購入検討者に「3,300万円なら買います」と値引き交渉をされたときには、その購入検討者を逃がさないように、「応じれるかもしれない」などのニュアンスで接客します。
しかし、上記2の場合は、購入検討者には「3,300万円まで下げるのは難しい」という前提で接するのです。そのため、上記2の方が値引き額を小さくできる可能性が高まるというワケです。
注意点
ただ、営業マンに対しての言い方は「状況」を考えないといけません。自分が本当に売りたい「時期」が迫っている場合や、数か月売れていない場合には、値引きに応じるしか売却できないという可能性もあるのです。
そのため、強気な姿勢でいくとしても査定額だけは加味しましょう。たとえば、査定額が3,200万円といわれているのに、3,300万円すら譲らない姿勢は厳しいです。
査定額は、「おそらくこの金額なら売却できる金額」のことなので、売却金額の下限は査定額程度にしておきましょう。
売り出し価格の設定
さいごは、売り出し価格の設定についてです。売り出し価格の設定を強気にいくかどうかは、購入検討者に交渉されたときの対応に違いが出ます。基本的な考えは、集客が見込める状況がどうかで考えます。
集客が見込める
結論からいうと、集客が見込める状況のときは、強気な価格設定でも大丈夫です。集客が見込める状況とは、以下のような状況のことです。
- 人気のエリアである
- 競合物件が少ない
人気のエリアであるかどうかは、最寄り駅によります。その駅が人気かどうかは、新築マンションの相場価格で比較すると分かりやすいです。沿線の前後2~3駅を比較して、相場価格が高いのであれば、そのエリアは人気エリアである可能性が高いです。
また、競合物件が少ないときには、そのエリアでマンションを探している人は自分の物件を見学にきます。そのため、集客は増えるのです。
このような状況のときには、価格設定は強気で良いですし、交渉ごとが発生しても強気な姿勢で問題ありません。なぜなら、仮に強気な姿勢で交渉に応じて交渉が決裂しても、ほかの検討者がいるからです。
集客が見込めない
逆に、集客が見込めない状況のときは、強気な価格設定は危険です。それは同時に、交渉ごとにも柔軟に応じる必要があるということです。以下のように、集客が見込めないときは、前項の集客の見込めるときの逆になります。
- 人気のエリアではない
- 競合物件が多い
やはり、人気のエリアでない場合には、そもそも集客は多くは見込めません。エリアによっては月で2~3件しか見学に来ないことも、そう珍しくないのです。そのような状況で強気な価格設定にしてしまうと、なおさら集客できなくなってしまいます。
また、競合物件が多いときに強気な価格設定をしてしまうと、購入検討者は競合物件だけに目が行き、自分の物件に来てくれなくなります。
また、競合と比較されることもあるので、ある程度柔軟な姿勢で値引き交渉に応じる必要があるのです。
このように、交渉ごとに対してある程度柔軟に対応するか、強気の姿勢で臨むかは、物件の状況によります。
先ほどいったように、交渉ごとは強気の姿勢でいったほうが、高く売却できる可能性は上がります。
しかし、強気で行き過ぎるとそもそも売却ができないという事態にもなるので、自分の物件のポテンシャルを把握した上で判断しましょう。この判断は、不動産会社の助言も加味するものの、基本は売主が判断することです。
まとめ
このように、マンション売却時の交渉ごとは、以下のポイントを抑えておくと良いです。
- 競合物件を把握して不動産会社が常に競合物件をチェックするように依頼
- 基本的には強気な姿勢で臨む
- ただ、自分の物件のポテンシャルは加味して考える
このように、交渉ごとには、まず不動産会社を動かすことが大切です。また、自分の物件が集客力のある物件なのかを見極め、強気な姿勢で臨むか柔軟な姿勢で臨むかは変える必要があります。
コメント
この記事へのコメントはありません。
コメントする